柚子と柚餅子(ゆべし)
- 千葉 芽弓

- 16 分前
- 読了時間: 3分
柚子の香りは本当に癒されますね。日本人でこの香りの嫌いな人はいないと思います。柚子は果汁も果皮も楽しめる嬉しい果物です。


今年は柚子も豊作。果汁はポン酢やドリンク、ゼリーにしたり、果皮は刻んでお料理のアクセントや薬味にしたり、煮てジャムにしたり、柚子胡椒をつくったり、またお風呂に浮かべるのもいいですね。最近ではアロマオイルや蒸留水にして使う製品や石鹸なども人気です。
ゆべし(柚餅子)って?
柚子を活用したお菓子の代表のいえば、ゆべし。ゆべし(柚餅子)は、地域によって材料も形も味も違う非常にバリエーション豊かな和菓子です。大きくは、 「柚子をそのまま使うタイプ」 と、お土産物のお菓子などでもみかける「餅菓子タイプ」 があり、夫々の地域性と結びついている伝統菓子です。

東北地方では柚子の中身をくり抜いてつくる伝統的な「ゆべし」と、福島の家伝「ゆべし」など、柚子は使わずに胡桃をいれた餅菓子または米粉菓子も有名です。
1.福島(会津ゆべし)
最も代表的な伝統ゆべしで、柚子を丸ごと使い、果肉をくり抜き味噌・くるみ・砂糖などを合わせたものを詰め、長時間蒸して寒ざらしで1ヶ月以上乾燥させたもの。柚子の風味が豊かで濃厚で深い味わいて、保存食的な意味合いもあり、薄くスライスして日本酒のアテやお茶菓子としていただく。かんのやの家伝ゆべしは醤油味の米粉の生地にこしあん入りで手裏剣のような形をしていて土産物としても有名です。
2.宮城(仙台ゆべし)
柚子型だが、あまじょっぱく味噌の風味が強めくるみを入れる
3. 山形
柚子の丸ごと型と、餅状の板ゆべしの両方がある。
▪️北関東/甲信地方では、 柚子型と餅型の両方があります。
1.茨城・栃木
くるみ入りの甘くて柔らかい求肥餅菓子の板ゆべしが主流
2.山梨(甲州ゆべし)
餅菓子の板ゆべしで、黒糖や醤油の風味のしっかりしたコクがある。
▪️関西では、柚子型をくりぬいた形。香りを楽しむ上品な味が特長です。
1.奈良(吉野ゆべし)
柚子の中に味噌を詰め、長期間乾燥させたもの。淡く上品な風味で塩気も控えめで、お茶席で提供されることもある。
2.和歌山
和歌山は柚子の特産地のため、香りがとても良く、甘さ控えめで後味がすっきりしているのが特長。
▪️北陸地方は穀物を使った素朴なゆべし
1.石川(加賀ゆべし)
四角の板状の米粉・もち粉を使ったもちもちとした餅菓子で、黒砂糖や醤油の風味が強い。
2.富山
石川と似た餅菓子風でくるみ入りの優しい甘さ。
▪️九州地方は、甘みが強めのとても柔らかく餅菓子タイプ。
砂糖や水飴の甘みが強く柚子感は少ないまたはない。
柚子の種はすてないで!
柚子は種がとても多いですが、果汁を絞ったあとの種は捨てずにお醤油に漬けておくと、鍋のタレ、ドレッシングのベース、お吸い物などに活用できます。

柚子の種のまわりには、ぬめり成分の(ペクチン)による血糖値抑制効果があると言われています。排水溝の水切り袋などに入れてお風呂に入れれば、香りと保湿効果も楽しめます。

日の短い、寒いこの時期、柚子の香りに癒されましょう。




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