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  • 執筆者の写真キノコノキ

野菜料理をポップカルチャーに。

TVCJ2020で準優勝の成績を収めた井口シェフ。野菜料理をポップなカルチャーにしていきたいと語るシェフが腕をふるうのは、表参道のおしゃれで閑静な一画にある「REVIVE KITCHEN THREE AOYAMA/restaurant RK」。井口シェフの提供するランチはワンプレートの一品メニューでありながら、色々な食感が楽しめ、野菜の料理とは思えないほどの満足感が印象的です。


今回、様々なアイデアが凝縮された井口シェフの料理についてお話を伺う機会を得ることができました。


Q.新しいアイデアはどうやって思いつくのでしょうか。


A.自分で言うのもなんですが、この業界に長くいるので、普通に調理されたもので食べたことがない味はほとんどありません。さまざまな食材に対しても、ストレートに美味しく調理することは自分にとってはそう難しいことではないんですが、それでも食べたことのない美味しさの組合せを探って色々試してきています。


プラントベースの料理は、分かりやすく主役になっていた肉や魚がいないぶん、今までの調理法だけではどうしても物足りないものになってしまう。それを補うために新たな工夫を編み出すことになります。あえてではないですけど遠回りすることで新しいものが生まれるという感じですね。


Q.井口さんの料理について、よく言われる感想は何ですか。


A.僕の経歴を知っている方には、今プラントベースの料理を作っていること自体に驚くと言われます。

僕の基盤であるフレンチで、あらゆる技術を身につけてきたので。


Q.料理を創作する上で大事にしていることは何ですか。


A.僕の料理では、テクスチャーと温度を大事にしています。コースの場合はプラントベースだとどうしても単調になってしまいがちなので、味だけでなくテクスチャーにも変化がでるように組み立てています。

ランチでは、ずっとコース料理をやってきた自分としては始めてのワンプレート料理を提供していますが、色々な味や食感を盛り込むことで満足感が出るように工夫しています。


Q.今後について


A.僕自身は野菜以外も食べるので、また肉や魚を扱う料理にも戻ってくるかもしれませんが、食材としての可能性は野菜のほうが大きいと思っています。今はプラントベースの料理でどこまで幅を広げられるか試していきたいですね。


井口シェフはフレンチのシェフとして確かな技術を持ちながら、プラントベースの料理にはまだまだ創作する余地がある、と大きな可能性を見出しています。自分でも食べたことがない味を追求したい、あえて遠回りして可能性を模索する、と語ってくれた姿はまるで現代アートの作家のようでした。


井口シェフの作る料理を食べると、これまで気づかなかった野菜の魅力にはっとさせられます。苦いものはより苦く、酸っぱいものはより酸っぱく、食材の個性を引き立てるのがフレンチの特色とも話してくれました。


 

来月からは井口シェフならではの切り口で、自宅で育てた野菜、私が好きなきのこなど様々な食材をテーマに「食卓」が充実するアイデアを聞いていきたいと思っています。


野菜を自宅のベランダで楽しく育てています。〈育てる食べる

 

REVIVE KITCHEN THREE AOYAMA/restaurant RK




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