普茶料理はご存知ですか?ヴィーガンのうなぎもどきは今ではメジャーになっていますが、古くは江戸時代初期に黄檗(おうばく)宗の僧が日本へ持ち込んだと言われる精進料理の普茶料理が発祥です。
従来の日本の精進料理とは異なるのは、葛と植物性の油を多く使った濃厚な味わい、そして1つの卓を4人で囲む形式が特徴です。
浅草にも近く、鷲神社などお寺が並ぶ台東区入谷に老舗の普茶料理を提供するお料理屋さん
「普茶料理 梵」があります。ジョン・レノンも愛し、何度も訪れた風情ある古民家、全てが靴を脱いで上がる個室スタイルでお食事のいただける梵をご紹介します。
庭木の美しい閑静な住宅地にある平屋の引き戸をくぐると、石畳や土間には打ち水がされ、季節のお花が活けられており、お客様へのおもてなしの心遣いを感じます。
案内されたお部屋は雪見窓から内庭が望める掘り炬燵形式の落ち着いたお部屋です。月替わりでいただける季節感と味わいを楽しめるお料理は行くたびに感動を与えてくれます。
筆書きのおしながき、掛け軸にもほっと心が落ち着きます。
お料理は、普茶コース6000円~10000円。この日いただいたのは平日限定のカジュアルにいただける普茶弁当3450円(税・奉仕料別)。
お通しとしてその年の梵字の書かれた干菓子と香煎茶からスタートする、水無月のすばらしいお料理をご紹介します。
半月の赤と黒の漆器がまるで絵のように美しい。ひとつひとつ丁寧に味付けされ味わいも多岐に富んでいて滋味深いおいしさのお料理たちがぎっしりと詰まっています。これはお品書きの文字では言い表せません。
こんなあしらいが季節感を表しとてもすてきです。あたたかいものは温かく、冷たいものはひんやりすっきりと。食べる人のことを考えて絶妙な塩梅で提供されることにも感動を覚えます。
鮑麩 紫陽花花蓮根
水無月椀 青豆の冷やし汁 白玉
白花豆 とまと酢
義生豆冨 古代すし
あじさい羹 山桃 青楓麩
當人麩 ずっきいに 豆生姜
和えもの 山家味噌
吉野煮 黄檗禅味
煮物:丸なす油焼 甘長
素揚げの葛切り、千切り生姜、くこの実に甘味噌が絡んで濃厚なおいしさです。途中味にアクセントをつける花椒もよく合います。
油滋:さつま芋 にんじん ごぼう こんにゃく 香味 そうめん揚げ
稲庭うどん
かりっとした天ぷらは食感も味わいも軽やか。扇子のようにあしらったそうめん揚げも美しい、つるりとした稲庭うどん、さっぱりながらもうまみたっぷりな出汁の精進つゆ
時菓:竜眼 すいか キウイ 黒豆煮 マンゴー豆乳ゼリー
この内容とサービスでは申し訳ないコスパは感謝しかありません。
医食同源、からだのことを考えた梵のお料理
梵のお料理は、白砂糖は使っていません。伝統の料理法で丁寧に手作りし、健康志向やマクロビオティックを実践するお客様にも安心して召し上がっていただけるものになっているそうです。しかしながらパンチもボリュームもある味わいと品数に、普段お肉を召し上がる方や外国人の方などどなたでも満足いくこと間違いありません。
毎月訪れたくなる素晴らしいお店。個室空間でゆったりとご家族や仲間、また接待などにもおすすめです。
普茶料理 梵
住所:東京都台東区竜泉1-2-11
TEL:03-3872-0375
Comentarios