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柏餅

  • 執筆者の写真: 千葉 芽弓
    千葉 芽弓
  • 5月5日
  • 読了時間: 2分

端午の節句のお菓子といえば、柏餅。季節行事や気候風土によりそい発展してきた和菓子は、私たち日本人にとって、季節の移ろいを感じさせホッと心を和ませてくれる存在ではないでしょうか?


柏の葉は兜に形が似ていて、新芽が出るまで古い葉が落ちないことから、家系を途絶えさせないよう子孫繁栄を願い、端午の節句にこの平たく丸形にした上新粉の餅に餡を挟み、柏の葉に包んだものをいただきます。

 

また、柏の葉は神聖なもので厄難を祓い、殺菌作用で保存料や防腐剤などなく保存する知恵から生まれたとも言われています。柏餅は二つ折りにして合わせる、和合を表すのも日本人らしさではないでしょうか?



柏餅の餅の部分の原料の上新粉は、うるち米を生のまま粉末にしたものです。もっちりとしてキレのある独特の歯応えの柏餅。

 

あんこには小豆あんの他、みそあんが柏餅では人気ですが、みそあんは白餡に白味噌を入れて作られ、特に東日本で人気だそうです。白味噌をいれたあんこができたのは、かつて砂糖が高級品だった頃、白味噌の発酵の甘さを生かし砂糖の使用量を減らす工夫による発想だったとも言われています。上品な甘さにほんのりとした塩味と風味が私たちをほっとさせてくれるのかもしれません。

 

さて、和菓子に欠かせない小豆ですが、実は質の良いタンパク質や、代謝に大きく関わるビタミンB群、現代人に不足しがちなミネラルや食物繊維、抗酸化作用の高いポリフェノールもたっぷりの優れた食材です。

 

ですから、洋菓子より油を使わず栄養の豊富な和菓子をいただくほうがヘルシーです。季節のお菓子をいただき、季節の節目に家族の無病息災を祈る。そんな心を忘れずにいたいですね。

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