かりんと聞くと、この季節には殊更にのど飴の材料を想像する人も多いと思います。10月から12月が旬のかりんは、中国から来日した薬効の高い果樹で、果実は黄色くて甘くてなんとも言えないよい香りがします。
マルメロとよく似ていますが、かりんの果実はとても硬くそのままでは灰汁が強くえぐみや渋みがあるために生食はできません。そのまま芳香剤のように置いたり、かりん酒や砂糖漬け、のど飴などの原料に使われることが多い果実です。
「和木瓜」という生薬名もあるかりんは、果実に含まれるポリフェノールやトリテルペン化合物、フラボノイドは抗菌・抗炎症作用があり、咳や痰を抑える効果もあると言われています。他にも代謝促進や疲労回復、糖尿病にもよいと言われています。
▪️かりんの下処理
・丸ごと沸騰したお湯に入れ3分ほど茹でる
(生だととても硬くて切るのが大変ですが、茹でると実が少し柔らかくなる)
・皮を剥いて切ったあと、30分以上塩水にさらして灰汁を抜く
お好みの量のてんさい糖とひとつまみの塩と一緒に煮詰めてジャムにすると、不思議にきれいなピンク色のジャムになります。
煮る時に皮や種の部分も一緒に煮るとより香りが強くなります。
都心ではなかなか売っていませんが、最近ではメルカリや食べチョクといったネット通販などや、郊外の道の駅や、ご縁があれば庭先に成ったかりんをいただけたりするかもしれません!
かりんの花はピンク色でとっても可憐。かりんの花は、ギリシャ神話に登場する愛と美の女神アフロディーテの聖花であったため、花言葉は「唯一の恋」。とてもロマンチック。他にも永遠の循環などポジティブな花言葉があり、また「(お金を)借りん」という語呂合わせから商売人にとっても縁起木とされ、庭木としても古くから人気なんだとか。
いい香りがして縁起よいかりんをお庭のある方、ぜひ植えてみるのもいいですね。
魅惑の香りをぜひ堪能してみてください。
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