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執筆者の写真千葉 芽弓

伝統を守りつつ、進化し続ける川越幸すし

歴史を受け継ぎ、時代に合わせ歩みを止めない。今も昔も変わらずに愛され続けるお店であるために大切なことかもしれません。小江戸川越で、江戸前にぎりと日本料理を提供する川越幸すし。


川越が小江戸と呼ばれるのは、周囲を川に囲まれていたため、河川を利用した船による運搬が盛んで、江戸からの物流が盛んで、物資をはじめ江戸の文化や流行がいち早く伝わった場所として栄えていたからだそうです。

 

趣ある蔵造りの街並み、建造物が今も残り古きよきものと新しさが融合した活気ある観光地として人気の場所です。平日でもたくさんの観光客で賑わう川越には、魅力的なお店が立ち並んでいます。



そんな川越の地に明治11年創業、146年の歴史を持つ幸すしは、現在の代表である女将は四代目になるそうです。

 

しあわせ稲荷小路を入ると料亭のような広々と立派な一軒家、お店の前には悠々としたご神木の楠としあわせ稲荷神社があり。お参りした人に幸せが続出したために「しあわせ稲荷」と呼ばれるようになったそうです。ご利益がありそう。



店内席は1階の寿司カウンター、個室の奥座敷、2階は少しカジュアルな座敷の食堂スタイルと、窓の外の楠やしあわせ稲荷神社、手花水を見下ろすカウンター席があり用途に合わせて選べます。



充実のヴィーガンメニュー


外国人観光客、特に台湾からのゲストにも人気の川越で、2019年からベジタリアン・ヴィーガンのメニューを提供されています。出汁のこだわりなどでなかなか難しい和食店では先駆的な取り組みだと思います。

 

ヘルシーメニューとして提供するヴィーガンメニューは3種類

 

  • おやさいコース4400円(税込)

  • うなぎの気持ち1650円(税込)※2日前までの予約です。

  • 菜彩御膳2160円(税込)※当日でもいただけます。

 

おやさいコースは前菜、煮もの、野菜天ぷら、野菜寿司、デザートまでの彩りも美しいフルコース。うなぎの気持ちは、オリジナルのじゃがいもとおからで作る鰻もどきのお重とお吸い物。香の物のセットで、人気のメニューです。

 

菜彩御膳は、野菜のにぎり寿司、野菜天ぷら、深谷そばのセットです。

 

どちらもとても魅力的です。お肉やお魚を召し上がる人とも同じ席で、好きなものをいただけるお店の存在はとてもありがたいです。個室も大広間から小さなお部屋まであり、会食や親族での食事など様々なシーンで利用できるので近隣の方が羨ましい限りです。

 

待望の初訪問なので、おやさいコースをいただきました。角盆に紅葉の葉があしらわれ小皿に美しく盛り付けられた前菜は、どれも丁寧に調理されそれぞれがとても美味しかったです。


大和芋のとろろ、胡桃豆腐の甘味噌だれ、わかめのナムル、きのこ、湯葉、つるむらさきのお浸し、無花果と栗。旬のおいしさを少しずつ味わえるのが和食の醍醐味です。


椀ものは、里芋、大豆ミートの肉団子、きのこ、さつまいも、こんにゃくや生麩や銀杏などの煮もののくずあんかけ。クリアでおいしいお出汁の塩梅が絶妙でした。


野菜天ぷらはさくっと揚がり、彩りも美しく職人技を感じます。


メインの野菜の握り寿司も彩りがきれいで出てきたときに笑顔がこぼれる美しさ。


左から、ズッキーニ、パプリカ、黄ズッキーニ、アボガド、茄子、トマト、長芋ととんぶりの軍艦、納豆軍艦。酢飯に使う砂糖は、牛骨炭を使わない精白糖だそうです。てんさい糖や無精製のきび糖などいろいろ試したそうですが、雑味のない精白糖が酢飯には最適であるとにこだわっているそうです。


デザートはフルーツの盛り合わせ。8種もの旬の果物が乗っていて贅沢。お口直しにもぴったりなおいしさでした。


「うなぎの気持ち」も試食させていただきました。どこの鰻もどきよりおいしいと言われる。というだけあり、鰻を食べた満足感がありながらすっきり軽くてペロリと食べられてしまいます。

 

お吸い物もとてもおいしいお出汁が効いていて大満足です。



席の間も広く、お料理の提供の間合いも絶妙で居心地がよく、ゆっくりと食事が楽しめます。



「食を通した幸せづくり」という理念のもと、様々な食の多様性に対応し、美味しい日本料理を楽しんでいただけるようにと、川越幸すしフードダイバーシティポリシーを設定し、ヴィーガン、アレルギー、ムスリムの方のも明白に提示できるものも用意しています。インバウンドの方にとっても、とても親切でありがたく、ダイバーシティ日本としての手本となる取り組みです。

 

四代目代表の長島貴子さんに、お店のこだわりと今後のビジョンについてお話を伺いました。

 

「美味しい」は当たり前の世の中で、食の多様性が生む食卓の弊害をなくしたいという思いから始まりました。特にこだわりという訳ではありませんが、人も時代も変わります。だから、今もこれからも、その変容に思いを対応させて行くだけです。と、笑顔で応えてくださいました。

 

お客様に愛をもって寄り添う姿勢が昔も今も変わらぬ人気のお店なのだと、改めて納得しました。



川越の街の散策もとても楽しく、一日中いても飽きない素敵なところです。わざわざでもまた食べに行きたい川越幸すし。



川越氷川神社までも10分ほどなので観光を兼ねてぜひ訪れてみてください。


 

川越幸すし



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