いぶり=燻す。がっこ=漬物。秋田の内陸部に伝わる伝統的な漬物のひとつで、野菜を燻煙乾燥させてつくります。
(画像提供元:(有)大網食品)
主に大根を楢(ナラ)や桜(サクラ)等の広葉樹の薪で燻しますが、かつては寒い秋田の民家の囲炉裏の煙で燻し、各家庭で漬けていました。しかし、生活様式が変わりはじめた昭和30年代頃から囲炉裏がなくなり、燻し小屋で作るようになっていったと言われています。
燻した大根に塩と米糠だけで漬けるのが昔ながらの伝統製法ですが、昨今では砂糖が使われるようになり、ともすると人口甘味料や添加物などが入っているものも多く出回るようになっていますので、成分表示をみて嗜好に合わせ選んでくださいね。
燻した燻製香りは、動物性食材を使わないヴィーガン料理において、どこか肉を彷彿させる重厚な香りと味になることから、深み出しのバリエーションに使われることもしばしばあります。燻製オイルや燻製醤油などをアクセントにするのも美味しいですが、「いぶりがっこ」を生かすのも一つです。
この季節には新じゃがでポテトサラダを作り、ハムの代わりに刻んだ「いぶりがっこ」を入れるのも滋味深いものです。コロッケに展開させるのもオススメ!また、水切りした豆腐に白味噌を塗り、一晩以上寝かせたものをチーズに見立てた「いぶりがっこ豆腐チーズ」もおつまみにおすすめです。
燻製の薫りは海外の方にも好まれるので、お客様をおもてなす時に活用してみてくださいね。
日本に伝わる伝統的な漬物。それは最高の保存食であり発酵食です。ぜひ未来に繋いでいきましょう。
【参考サイト/農林水産省Webサイト】
https://www.maff.go.jp/j/keikaku/syokubunka/k_ryouri/search_menu/menu/29_1_akita.html
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